登り方のスタイル
登り方のスタイル
岩登りとしては以下のような形式がある。
* ボルダリング - ロープによる確保なしで5m程度までの岩を登る。
* リードクライミング - クライマーがロープを自らルート途中の確保支点にセットしながら登る(#リードクライミングを参照)。
* トップロープクライミング - 予めルート最上部の強固な確保支点に通した確保用のロープにて安全を図りながら登る(#トップロープクライミングを参照)。
[編集] ボルダリング
ボルダリングは最もシンプルな登り方とされているスタイルで、後述するクライミングシューズとクラッシュパッド、チョークバック、それにチョークを落とすための歯ブラシのみで岩を登る。クラッシュパッドは大きく持ち運びに不便である上、ボルダリングの持つシンプルさや岩との親和性を損なうなどの理由から、クラッシュパッドを用いない者もいる。実際の所、巨大なクラッシュパッドを持つことにより「さまざまなクライミングのスタイル中、最もシンプルな登り方であるはずのボルダリングを行う者が、最も大きな荷物を担いでいる」という皮肉な事態になっている。ボルダリングの準備は簡単で、登りたい岩の前に行きクライミング用シューズに履き替え、登る前に靴の汚れを落とし、手にチョークをつけ、落ちた場合に備えてクラッシュパッドを敷いておくくらいである。あとは、登りたい岩の登りたいラインを、手足を使って登る。登るラインを課題という。場合によっては、岩上部に回り込んで落ち葉を落としたり、ホールドをブラシで掃除する場合もある。それらが終わったら、岩に取り付く。あとは登るだけである。場合によっては岩をへつって横断する課題もある。黒本に代表されるルート図集には、面白い課題がたくさん載っているので、それを参考に自分の登りたい課題を決めるのが一般的である。
ボルダリングは一人でも行う事ができ、必要な道具の少ない事などからもボルダリングを専門に行うクライマー(ボルダラー)も増えている。そのため, UIAAのワールドカップではリードクライミングの競技のほかにボルダリング競技が行われることがもはや普通になった。日本では、各地方のローカルコンペのほかにB-sessionという年間チャンピオンシリーズが行われている。また、日本山岳協会主催大会でも2005年からボルダリングジャパンカップが行われ始めているほか、2008年の国民体育大会(チャレンジ!おおいた国体)からは山岳競技の中にボルダリング種目が採用される。
ボルダリングがさかんに行われている場所としては、関東周辺では御岳や小川山などがある。複数人でボルダリングを行う場合、クライマー以外の者は、マットを墜落予想地点に移動させたり、落ちてきたクライマーをパッドの方に押す、着地後にバランスを崩して転倒するのを防ぐよう支えるなど、安全性の向上を図る。こういった一連の行為をスポットといい、スポットを行う者をスポッターという。どのようなスポットがベストかは足場の状況やクライマーの位置・体勢・次のムーブなどにより変わるので、簡単なように見えて実は複雑な技術であり、中途半端なスポットは怪我の元であるとする者もいる。
ボルダリングは日本でもフリークライミング黎明期から行われてきたが、岩と雪72号に紹介された、ヨセミテのミッドナイト・ライトニングを登るジョン・バーカー(John Bachar)の連続写真は、ボルダリングを広く認知させるに至った。また、1984年に邦訳が出された「ジョン・ギルのスーパーボルダリング」(森林書房,パット・アメント著,平田紀之訳,ISBN 4915194280)は、アメリカの初期ボルダリングの天才ジョン・ギル(John Gill)やアメリカのボルダリング文化を広くわが国に知らしめる役割を果たし、現在でもこの本をバイブル視するボルダラーもいる。そして、岩と雪の事実上の最終号となった169号では、草野俊達の長文記事と写真が紹介され、ボルダリングはルートクライミングと並ぶフリークライミングの二大潮流のひとつとなった。その後、岩と雪の事実上の廃刊にともない、クライミング自体がメディアから取りあげられることが少なくなるが、岩と雪がロックアンドスノーとしてリニューアル復刊後にクライミングが再び脚光を浴び始めたなかでもボルダリングの隆盛は止まず、近年ではボルダラーはリードクライミングを行うクライマーよりも増えつつある。この背景として、アメリカのボルダリングビデオ「ランページ」および「ドセージ」シリーズ(いずれもBig Up Productions制作)によるボルダリングイメージの革新や、著名なクライマー(ボルダラー)の一人である室井登喜男が自費出版した関東周辺の主なボルダリングエリアの詳細なルート図集(通称黒本)の流通や各種ボルダリングウェブサイトの充実による、クライマー間のコミュニケーションの円滑化などが挙げられる。
ボルダリングのムーブにはダイナミックなものが多く、こうした動き自体が非常に興奮的で楽しい。また、ボルダリングは準備が非常に簡単である。地面にマットを敷いてシューズを履けばすぐにでも始められるため、手軽に始められる。さらにボルダリングのムーブはルートクライミングにも応用が利くものもあるため、低い岩でのボルダリングはルートクライミングのトレーニングとしても非常に有用である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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